映水BLOG

2020.6.9 / コラム

高級な雛人形に選んでほしいお顔のつくりとは?伝統の頭職人が解説

ひな人形のお顔には、江戸時代から作られている伝統工芸「桐塑頭」というものがあります。

桐の木の粉や貝殻の粉などの天然素材を使用し、熟練の職人により一つ一つ丁寧に作られたお顔です。

桐塑頭を高級な雛人形のお顔に選んでほしい理由としては、江戸時代から受け継がれてきた日本の伝統工芸品であり、現在この技術を受け継ぐ職人も少なく、大変希少なお顔となっているからです。

こちらでは、

雛人形のお顔の作りの種類と歴史
桐塑頭ができあがるまで
桐塑頭の特徴

を伝統工芸で雛人形のお顔をつくる職人が説明しています。

  • 雛人形のお顔の作りの種類

現代の雛人形のお顔の作りは、大きく分けて江戸時代から作られている「桐塑頭(とうそがしら)」と現代の石膏を使用する「石膏頭(せっこうがしら)」の2種類があり、その他にも土台に陶器やプラスチックを使用したものも一部あります。
ただ、現実的に購入ができるお顔としては、石膏を使用した「石膏頭」が最も多く、伝統の桐塑頭の雛人形は非常に貴重なものとなっております。

  • 雛人形のお顔の歴史

雛人形の元となったお人形は紙で作られていたとされ、室町時代頃に立雛(たちびな)などの雛人形ができあがったと言われています。そして、江戸時代になり雛人形のお顔は木彫に胡粉を塗り重ねた「木彫頭(もくちょうがしら)」などで作られるようになりました。江戸時代の中期ごろには、雛人形は女子の初節句を祝う大切な行事として定着し、需要が高まると、桐の木の粉と糊を混ぜた桐塑(とうそ)を土台とした「桐塑頭」の技法が生み出されました。そして、江戸時代の中期ごろから昭和の中期ごろまでの長い間、雛人形のお顔の多くは桐塑頭で制作されていました。
ただ、この桐塑頭で雛人形のお顔を作ることは非常に難しく、時間と手間もかかるために、シリコンの型に石膏を流し込んで制作する「石膏頭」の技術が開発され、現在に至っております。石膏頭は、一度良い原型を制作すれば同じものを早くたくさん正確に作ることができるため、雛人形のお顔のほとんどを占めるようになりました。また海外でも多く制作されています。

桐塑頭の雛人形のお顔ができあがるまで

桐塑頭の雛人形のお顔は、熟練の職人が、桐の木の粉や胡粉、膠(にかわ)などの材料を使用し、江戸時代からの伝統工芸で1カ月以上掛け作られています。

胡粉を何度も何度も塗り重ねる作業や、目、鼻、口などを彫刻する作業など大変手間のかかる昔ながらの製法です。

※胡粉・・・貝殻の粉のこと。
※膠・・・動物のせき髄などから採れるゼラチン。


原型制作

型をつくるために、お顔の原型を彫ります。

原型制作は、お顔の形だけでなく立体感や表情も決まる大切な仕事です。


生地抜き

制作した原型から型をおこし、桐の木の粉と糊を混ぜた桐塑(とうそ)を型に詰め、生地抜きをします。

きれいに生地抜きをすることには技術が必要です。

生地は、2週間以上掛け完全に乾燥させます。


バリ取り

生地が乾燥した後、小刀でバリを取ります。

同時に、乾燥させる際にできる変形やでこぼこなども同時に直します。


目入れ

ガラスでできた目を入れていきます。

目の高さや、傾き、左右のバランスなどが非常に大切です。

塗り仕事を始めてしまうと、あとから直すことできないため、とても重要な仕事です。


地塗り

胡粉と膠(にかわ)を混ぜ、地塗り胡粉をつくり、ハケで丁寧に塗り重ねていきます。

胡粉と膠の分量は、季節や温度により変わりますので、職人の経験で決めています。


置上げ(おきあげ)

地塗り胡粉が乾いたら、固く練った胡粉を筆で取り、目、鼻、口を盛り上げていきます。

目、鼻、口などの高さも熟練の職人の感覚で決めています。目、鼻、口の胡粉が乾いたら、小刀で形を彫刻します。


中塗り

置上げの次は、真ん中の塗り仕事です。

こちらも胡粉と膠を混ぜ合わせ、ハケで塗り重ねていきます。

胡粉を塗り、乾燥させてからまた塗り重ねるという作業を6回から8回ほど繰り返します。


目、鼻、口の彫刻

ガラスの目を入れた後に、地塗り、中塗りと胡粉を塗り重ねておりますので、隠れた目を探すと同時に表情を小刀で表現します。二重まぶた、小鼻や唇なども手彫りで表現します。


上塗り

特別な胡粉と膠(にかわ)を混ぜ合わせ、上質な上塗り胡粉を練ります。

こちらもハケで丁寧に6回から8回ほど塗り重ねていきます。


書下げ(かきさげ)
彩色

小刀で絹毛を植えるための溝を彫り、髪の毛の生え際を筆と墨を使い一本一本描きます。眉毛とまつ毛も描き、口紅などのお化粧もしていきます。

さらに、胡粉で歯を一本一本表現し、お歯黒にします。

舌も和紙と胡粉で制作し同時に表現します。


毛植え

絹毛に糊を付け、毛彫りをした溝に沿って丁寧に植えていきます。


結髪(けっぱつ)

くしを使い、髪の毛を結っていきます。

一本も乱れないように結うには、とても技術を必要とします。

そして、あたたかな桐塑頭の雛人形は完成します。

桐塑頭の特徴

・桐の木の粉や胡粉、膠などの天然素材を使用して一カ月以上掛けて作られている。

・胡粉を地塗り、中塗り、上塗りとそれぞれ何度も何度も塗り重ねて作られている。

・江戸時代の中期ごろから作られている伝統工芸品である。

・熟練の職人により作られ、特に目、鼻、口は彫刻をして表現するために世界に一つのお顔ができあがる。

・お顔には特に立体感があり、歯や舌などの細かなところも職人が丁寧に制作している。

・桐塑に胡粉を塗り重ねて仕上げられたお顔には、独特の深みがあり、あたたかさがある。

・何十年と飾ることにより、だんだんと味わいが増してくる。

・江戸時代からの作品も残っており、美術館などにも展示されている。

・乾燥しすぎるとヒビが入ることがある。

・修理をすることもできる。

・桐塑頭で雛人形を作ることは非常に難しいため、お顔の良し悪しは職人の腕に左右される。

・技術を習得するまでには数年の修業を必要とする。

・桐塑頭で雛人形をつくる伝統の職人も日本で数人となっている。

まとめ

伝統工芸の桐塑頭の雛人形は、天然素材を使用し、熟練の職人が時間と手間をかけ一つ一つ制作しています。

現代の日本では、桐塑頭はほとんど使用されなくなってしまいました。

制作する職人があまりにも少ないためです。

伝統工芸のあたたかな雛人形のお顔がある

ということを忘れないでほしいのです。

伝統をいつまでも大切にしていきたいですからね。

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