伝統工芸のひな人形のお顔をつくっています。毛彫りをしています。
江戸時代からの伝統工芸の桐塑頭(とうそがしら)の雛人形制作です。
一番寒い時期となっており、天然素材の膠(にかわ)は温度が低くなると扱いづらくなるために、制作は夏の時期よりも大変になりますが、職人は制作を続けています。
昨日、最後の仕上げの上塗り胡粉を塗り重ねる仕事が終わりましたので、本日は絹毛を植えるための溝を彫っています。
毛彫りがきれいにできあがりました。
木材のように硬くなっておりますので、きれいに彫るにはとても時間が掛かります。
このような工程も、シリコンに石膏を流し込んで作る一般的な現代の「石膏頭(せっこうがしら)」は、溝ができた状態で型抜きができますが、伝統工芸のお顔は一つ一つ手作業で行っています。
手間ひまを掛けて制作することで良いお顔ができるというわけではありませんが、桐の木の粉や貝殻の粉を使用して伝統工芸でつくるお顔には確かな「あたたかさ」が生まれます。
このあたたかさだけは、桐塑胡粉仕上げでしか表現ができませんので、いつまでも大切にしていきたいと思っています。
- 投稿日時:2021.1.03 20.33.59 / カテゴリー:人形制作
- https://ajioka.net/blog/seisaku/23335
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