映水BLOG

2020.5.29 / コラム

木目込みの雛人形とは?伝統工芸の職人がお顔の作りから衣装も解説!

3月3日のひな祭りには、お子様の健やかな成長を願って素敵な雛人形と一緒にお祝いをしたいですね。

ひな人形には、かわいい木目込み(きめこみ)の雛人形もあります。

でも木目込みの雛人形ってなに?と気になっている方も多いと思います。

こちらでは

ひな祭りと木目込み人形の歴史
木目込み人形のお顔の作りの種類
木目込み人形の種類とできあがるまで

について、伝統工芸で雛人形のお顔をつくる味岡映水が写真と一緒に説明をしています。

ひな祭りと木目込み人形の歴史

ひなまつりの歴史は深く平安時代にまでさかのぼるといわれています。3月3日の上巳(じょうし)の節句に災厄をはらう神事に用いられ、川に流された「ひとかた」(人間の形をしたもの)が元となり、江戸時代の初期(1600年頃)に簡単なお人形で遊ぶ「ひいなあそび」となりました。ひいなあそびは、この3月3日の神事を子供たちがまねをして遊んだことが始まりだともされています。
そのお人形が、やがて立雛(たちびな)に変わり、いろいろな雛人形が誕生し、江戸時代の中期ごろには広く一般家庭にまで人形遊びの楽しみが普及され「ひいなあそび」から「雛祭り」となり、雛人形を飾り女の子の健康と将来の幸せを願う行事に定着しました。

木目込み人形は、京都加茂神社に仕えていた人が、柳材に布を木目込んでつくった「加茂人形」が始まりだと言われており、250年以上の歴史があります。この加茂人形は小さなものは寝かせても起き上がる作りになっており、能・狂言を題材としたお人形が多く、やがて雛人形も作られるようになりました。材質は、柳材から始まり、お顔と胴が別々に作られるようになり、胴は「桐塑(とうそ」(桐の木の粉と糊を混ぜたもの)などが使用されるようになりました。
加茂人形自体が小さなお人形だったため、木目込み人形は、その伝統を受け継ぎ現代でも小さくてかわいいお人形が多いのかもしれません。

木目込み雛人形のお顔の作りの種類

木目込み雛人形のお顔の作りの種類には、大きく分けて江戸時代からの伝統工芸で作られる「桐塑頭(とうそがしら)」と現代の技術で作られる「石膏頭(せっこうがしら)」の2種類があります。

伝統工芸 桐塑頭    当工房にて


初めの生地抜きの状態


胡粉を塗り重ね、目、鼻、口の彫刻をしているところ

桐塑頭の雛人形のお顔は、桐の木の粉や貝殻の粉、※膠(にかわ)などの天然素材を使用して職人が1カ月ほど掛け一つ一つ制作をしています。桐粉と※しょうふ糊を混ぜ生地抜きをし、2週間ほど掛け乾燥させてから目、鼻、口などをつくりながら胡粉を何度も何度も塗り重ねて仕上げていきます。表情などは一つ一つ小刀を使用し手彫りで表現をしていきますので、世界に一つのお顔ができあがります。天然の素材から作られていますので、味わいもあり、100年以上大切にしていただけます。現在、伝統の桐塑頭で雛人形をつくる職人も日本でわずか数人となっております。

※膠・・・動物のせき髄などから採れるゼラチン
※しょうふ糊・・・小麦粉から抽出したでんぷんのり

桐塑頭について理解を深めたい方は「味岡人形 伝統工芸 桐塑頭」をご覧ください。

石膏頭  現代のお顔


初めの型抜きの状態

石膏頭のお顔は、シリコンの型に石膏を流し込み現代の技術で作られています。お顔は、シリコンの型の通りに表現されますが、目さらい、仕上げの塗り仕事、筆仕事、結髪(けっぱつ)などは必要です。目、鼻、口も表現された状態で型抜きができるために、良いお顔を早く、たくさん正確に作ることができるようになりました。現在、日本の雛人形のほとんどが石膏頭により制作されており海外でも多く作られています。

  • ・木目込み人形の表情

木目込み人形は、どちらかというとふっくらとしたお顔のものが多く、落ち着いた大人のお顔から、可愛らしい子供のお顔までいろいろな種類があります。

目の表現には、ガラスの目を使用した「入目(いれめ)」と筆と墨を使用した「書目(かきめ)」のお顔があります。


入目のお顔


書目のお顔

入目のお顔は、キラキラとした目がかわいらしい印象で、書目のお顔には、落ち着いた印象があります。どちらのお顔も素敵ですので、いいお顔の雛人形を見つけてくださいね。

木目込み人形の衣装ができあがるまで

雛人形の衣装には、大きく分けて「木目込み人形」と「衣装着人形(いしょうぎにんぎょう)」の2種類があります。

  • ・木目込み人形

木目込み人形の胴は、桐の木の粉としょうふ糊を混ぜ生地抜きをして乾燥させた生地が土台となっています。土台に細く彫られた溝に糊を入れ、ヘラを使用し、布を押し込んで制作します。土台に布を合わせて制作するために、きれいな形をお楽しみいただける作りです。
また、型くずれもしないためとても扱いやすいお人形です。
衣装着人形と比べると、丸っこくて、小ぶりなお人形が多いのも特徴の一つです。

  • ・衣装着人形

衣装着人形は、木やわらなどでできた胴に衣装を着せ付けて制作します。衣装を直接着せ付けて制作をするため、立体的な衣装の質感をお楽しみいただける作りです。

  • ・木目込み人形の衣装の作り方

粘土などで原型を制作し、その原型から型をおこします。
その型に桐の木の粉としょうふ糊を混ぜ、練って作った木の粘土を詰め生地抜きをし乾燥させます。

生地抜きの際にできるでこぼこなどを直し、ヤスリをかけ、土台がきれいになったら胡粉を塗り、布を押し込む溝を彫ります。

細い溝に糊を入れ、ヘラで布を押し込んでいきます。

糊がはみ出さないようにきれいに押し込んでいくためにはとても技術を必要とします。布にしわが寄らないよう丁寧に制作を進めていきます。

基本的には、お姫様とお殿様は布がペアになるように合わせています。

同じ土台を使用しても、色合わせによりオリジナリティーを出しやすいことも特徴の一つです。

かわいいお顔と合わせて木目込み人形はできあがります。

持ち道具(冠や扇など)は、衣装着人形よりも少ないので、簡単に取り付けられる場合が多いです。

  • ・木目込み人形の種類

木目込み人形には、通常座りのタイプが多いですが、立雛(たちびな)もあり、それぞれの形や大きさもたくさんの種類があります。


木目込み雛人形 五人飾り


木目込み人形 立雛

木目込み人形の飾り方の種類には、お姫様とお殿様のみの親王飾りから、三人官女が付いた三段飾り、さらに五人囃子(ごにんばやし)、随身(ずいしん)、仕丁(じちょう)がセットになった七段飾りもあります。
場所を選ばず飾ることができるコンパクトなセットや、便利な収納式のタイプも人気があります。

  • ・布の種類

木目込み人形に使用される布は、大きく分けて「正絹(しょうけん)」「木綿」
「化繊(かせん)」の三種類があります。


・正絹(シルクのこと)
光沢があり、やわらかく上品な色合いの生地です。


木綿(コットン)
ナチュラルなやさしさと、可愛らしい柄行の生地です。


・化繊
古典的な柄行から現代的な柄行まで種類があり、鮮やかな色彩の生地です。

それぞれの生地には、毎年たくさんの新作ができあがり、お人形の雰囲気に合わせて使用されています。名古屋の有松絞りの生地から作られる木目込み人形などもあり、新しいお人形が次々と誕生しています。

お人形は、台や屏風、付属品をそれぞれ組み合わせることにより全体の雰囲気も大きく変わるため、実際にお店に足を運んでみるのもいいと思います。

まとめ

江戸時代から歴史のある木目込み人形には、可愛らしいお人形がいろいろとあります。お顔にも伝統工芸で作られた「桐塑頭」と現代の石膏を使用する「石膏頭」とあり、それぞれ材料や工程も異なります。衣装のタイプや色合いなども総合的に考えて素敵な木目込みの雛人形に出会えるといいですね。

当店では、お子様に似せてお顔を作るオーダーメイドの雛人形も承っております。職人が伝統工芸「桐塑頭」で一つ一つ丁寧に制作させていただきます。木目込み人形の衣装は、大きさやデザインもお選びいただけます。台や屏風、お道具やセットの大きさもお選びいただける世界に一つの雛人形です。

オーダーメイドの雛人形のことを詳しく知りたい方は「味岡人形 オーダーメイド雛人形」をご覧ください。

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