映水BLOG

2024.8.2 / コラム

ひな祭りに飾るぼんぼりの意味とは?どの位置に飾ればいいの?

雛人形の両脇に飾られているちょうちん型をしたお道具の「ぼんぼり」。

「うれしいひなまつり」の歌にも
「あかりをつけましょ ぼんぼりに」と登場しますが、ぼんぼりとは何か、雛人形に飾られている意味を詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、ぼんぼりの雛飾りにおける意味や飾る位置などについて解説します。

雛人形の両脇に飾られている「ぼんぼり」とは?

ぼんぼりとは小型の行灯の一種で、手燭(てしょく)や燭台に紙や布を張り、その中でろうそくを用いて点灯するものです。

まだ電気のなかった時代に、照明器具として用いられていました。

ぼんぼりという名前の由来には諸説あります。

一説では紙や布を通したほんのりとした明かりの「ほんのり」が変化してぼんぼりと呼ばれるようになったとされています。

本来のぼんぼりの意味が「ぼんやりとしていてはっきりしないさま」「ものの色や形がぼやけて見えるさま」であったことも関係しているようです。

ちなみに、ぼんぼりの漢字表記である「雪洞」は、ぼんぼりの形状や構造が茶道で用いられる「雪洞(せっとう・木や竹に薄い紙を張った蓋付きの道具)」に似ていることから同じ漢字を当てるようになったと言われています。

その一方で、雪で作ったかまくらの中で火を灯した際に、そのやわらかな明るさがぼんぼりの灯りに似ていたことに由来するという説もあります。

「提灯」「灯篭」との違い

「ぼんぼり」「提灯」「灯篭」は、いずれも日本の伝統的な照明器具ですが、それぞれに特徴と用途の違いがあります。

ぼんぼりは先ほど紹介した通り、ひな祭りなどで用いられる手燭(てしょく)や燭台に紙や布を張り、その中にろうそくを灯したものです。

提灯(ちょうちん)もぼんぼりと同様に、和紙や布で覆われており、内部にろうそくや電球を入れて使用しますが、折りたたむことができるのが異なる特徴です。

現在では祭りやイベント、居酒屋の装飾などで目にすることも多いのではないでしょうか。

灯篭(とうろう)は、ぼんぼりや提灯のように持ち運びできるものではなく、固定された照明器具で、主に屋外で使用されます。

石や金属、木などで作られ、風や雨から火を守るために囲いがついています。

お寺や神社、庭園などで見かけることが多く、装飾的な役割も果たしています。

これらは同じ照明器具でも異なる特徴があります。

それぞれの特徴を知ることで、日本の伝統的な照明器具の魅力をより深く感じることができますね。

雛人形にぼんぼりが飾られる意味

ぼんぼりは多くの雛人形に飾られていますが、その背景には「江戸時代の結婚式の風習」が大きく関係しています。

「あかりをつけましょ ぼんぼりに」と歌に出てくるように、なぜお雛様にぼんぼりの灯りが必要だったのかというと、

雛人形は天皇の結婚式を模したものですが、雛人形文化が大衆に広まった江戸時代当時の結婚式は現代のような日中ではなく「亥の刻(21時から23時の間)」に行われていました。

その時間帯は灯りがなければ何も見えないため、ぼんぼりは結婚式における必須アイテムだったようです。

その風習がいつしか雛人形にも取り入れられるようになり、お人形の周辺を彩るお道具のひとつとして今もなお親しまれています。

雛人形のぼんぼりはどこに飾ればよい?電球はずっと点けておく?

雛人形にはぼんぼり以外にも付属品が多いので、ぼんぼりをどこに飾るか迷うかもしれません。

特に段のある雛飾りの場合は、どの段に飾るか迷うのではないでしょうか。

結論からお伝えしますと、段数によってぼんぼりを飾る場所は変わりません。

ぼんぼりは「男雛と女雛が飾られている段の左右」に飾りましょう。

ぼんぼりによって模様やデザインが前後で異なるものもあるので、他の道具や人形とのバランスを見ながら、おしゃれに見える角度を探して配置してみてください。

また、雛人形のぼんぼりには点灯可能なものが多く、近年では電池で光るタイプやコンセントタイプ、LED、電球などバリエーションが豊富です。

ぼんぼりは雛人形を飾っている間ずっと点灯させておいても良いですが、電気代等が気になる方はこまめに消してもいいでしょう。

ぼんぼりが点灯しなくなったらどうすればいいの?

「ぼんぼりが点灯しなくなってしまった」というのはよくあるトラブルです。

この原因として、乾電池の液漏れが最も多いです。

ぼんぼりを保管する際は必ず乾電池を抜いて保管してください。

また、ぼんぼりの電球は交換することができます。

ぼんぼりの電球はソケットタイプの場合はほとんどですので、LEDにしたい場合はソケットタイプのLEDに変えることで可能です。

ぼんぼりの種類とデザイン

ぼんぼりの形状には以下のような種類があります。

筒型ぼんぼり: 一般的な形状で、円筒形をしています。雛祭りの際に多く見られます。

球型ぼんぼり: 球体の形をしており、柔らかな光を放ちます。

六角形ぼんぼり: 六角形の多面体で、上部から下部にかけて細くなる形状です。桜祭りやイチョウ祭りなどで使用されます。

ぼんぼりは、その形状やデザインによって異なる雰囲気を演出することができます。

伝統的なものから現代的なものまで、多様なぼんぼりを楽しむことができます。

ぼんぼりの選び方

雛祭りで飾るぼんぼりの選び方についてのポイントを紹介します。

  • サイズと形状

飾る場所の広さに合わせて、適切なサイズのぼんぼりを選びましょう。

伝統的な円形や六角形のぼんぼりが一般的ですが、最近ではモダンなデザインも増えています。

  • 素材

紙製、プラスチック製、木製など、さまざまな素材があります。

紙製のぼんぼりは軽くて扱いやすいですが、耐久性に欠けることがあります。

プラスチック製や木製のぼんぼりは耐久性があり、長く使えます。

  • デザインと色

伝統的な和柄や桜の模様が人気です。

雛人形や他の飾りと調和する色を選ぶと、全体のバランスが良くなります。

  • 照明

LEDライトが内蔵されたぼんぼりは、電池式やUSB充電式などがあり、便利です。

照明の色や明るさも調整できるものを選ぶと、雰囲気を変えることができます。

  • 価格

予算に応じて選びましょう。

高価なものは品質が良く、長持ちしますが、手頃な価格のものでも十分に楽しめます。

ぼんぼりを選ぶ際は、飾る場所や他の飾りとの調和を考慮し、自分の好みや予算に合ったものを選ぶことが大切です。

雛祭りの雰囲気を一層引き立てる素敵なぼんぼりを見つけてください。

ぼんぼりのお手入れ方法

雛人形を片付ける際にぼんぼりも一緒に片付けます。

その際に、ぼんぼりの表面にたまったほこりや汚れを、柔らかい布やブラシで優しく拭き取りましょう。

照明部分が汚れている場合は、乾いた布で優しく拭き取ります。

紙製のぼんぼりの場合は、乾いた布を使用し、水分を避けてください。

保管場所は雛人形と同じく、湿気や直射日光を避けた場所に保管しましょう。

紙製のぼんぼりは、湿気に弱いため、乾燥剤を一緒に保管すると良いでしょう。

破れてしまった部分がある場合は、早めに修理しておきましょう。

長期間使用するためには、毎年の点検とお手入れが大切です。

まとめ

ぼんぼりは夜間に行われる結婚式の照明器具であったことから、天皇の結婚式を模した雛人形における大切なお道具の一つとなっています。

男雛と女雛のお顔がぼんぼりの灯りによってほのかに照らされるように飾ってあげてくださいね。

当工房では、江戸時代から続く伝統技術で雛人形を作成しています。

雛人形は、大切なお子様の健やかな成長と幸せを願い、お守りとなる日本の伝統文化です。

お気に入りの雛人形を飾り、お子様の誕生を家族で毎年お祝いしていきましょう。

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