かっこいい子供大将のお顔ができあがりました。伝統工芸です。
先日から工房でコツコツと続けていた五月人形の子供大将のお顔ができあがりました。
現代では、とても希少な江戸時代からの伝統の「桐塑頭(とうそがしら)」です。
桐の木の粉と糊を混ぜて生地抜きをしたものが土台となっています。
貝殻の粉と膠(にかわ)を混ぜてつくった胡粉をハケで塗り重ねていきます。
完成までには10数回は塗り重ねて仕上げています。
目、鼻、口も一つ一つ手彫りで表現していきますので、非常に時間が掛かります。
胡粉を地塗り、中塗り、上塗りと塗り重ねる作業もそうですが、表情を彫刻する作業も現代の石膏頭にはない工程です。
筆仕事を終え、髪の毛を植えていきます。
髪の毛は上質な絹を使用しています。
きれいに髪の毛を結って完成です。
凛々しくできあがりました。
完成までには一カ月ほど掛かります。
とてもとても時間と手間が掛かる伝統工芸のお顔ですが、桐塑(とうそ)に胡粉を塗り重ねた、この材料と工程でしか表現のできないあたたかさや味わいは、いつまでも大切にしていきたいと思っています。
- 投稿日時:2020.8.12 18.23.47 / カテゴリー:五月人形
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