ひな人形の表情を彫刻で表現しています。伝統工芸のお顔です。
今日も雛人形のお顔の彫刻をしています。
ちいさくまるいお顔から、大人のお顔まで表現をしています。
ガラスの目はどこにあるのか全く見えない状態でお顔を彫刻していきます。
もちろん、初めは全く彫れませんでした。
目の位置は、彫るときに決まるわけではありません。
初めの目を入れる段階で決まります。そして、胡粉を塗り重ねていき、彫るときには隠れてしまうわけです。
ですので、初めの段階から手作業でありながら仕事が安定していることを求められます。
今では、隠れて見えない目がまるで見えているかのように彫ることができますが、それまでには数年を必要とします。
目はとても小さいので、0.5ミリでも大きく彫ればもう表情が変わってしまいますので、とても大切な仕事です。
現代の石膏頭が開発されたのも、この仕事がとても時間も技術も必要とするということが理由の一つでもあります。
今はもうとっくに忘れ去られてしまったような技術かもしれないけど、誰かがその大切さに気づいたときにはもう手遅れかもしれない。
そんなことにならないよう、伝統工芸の職人は今日も頑張っています。
- 投稿日時:2020.9.21 17.54.20 / カテゴリー:人形制作
- https://ajioka.net/blog/seisaku/21027
登録タグ#