美人な雛人形に一目ぼれ!日本で数人の職人が作る伝統工芸のお顔。
雛人形は、お顔で選びたい!という方も多いと思います。
昔ながらの手作りの雛人形の中には、もしかしたらお気に入りのお顔が見つかるかもしれません。
それは、伝統工芸で作られる雛人形のお顔は、やさしく、ぬくもりがあるからです。
こちらでは、江戸時代からの伝統工芸で雛人形をつくる職人が「雛人形のお顔の説明」と「伝統技法で作られた美しいお顔の作品」を写真と一緒に説明しています。
こちらを読むことで、「こんなにきれいなお顔の雛人形があるんだ」「一つ一つお顔が違うんだ」ということがわかっていただけると思います。
味岡映水作 雛人形 姫 桐塑頭
- ・雛人形のお顔の材質
雛人形のお顔には、江戸時代からの伝統技術で作られる「桐塑頭(とうそがしら)」と、現在主流の「石膏頭(せっこうがしら)」の大きく分けて2種類あります。
桐塑頭は、桐の木の粉や胡粉、膠(にかわ)などを使用し、江戸時代からの伝統的な技法で作られるお顔です。職人が桐の木の粉と糊を混ぜ乾燥させた生地に胡粉を何度も何度も塗り重ね、一カ月ほど掛けて出来上がります。生地抜きから仕上げまで熟練の技術が必要です。現在では、桐塑頭の雛人形をつくる職人も日本で数人となりました。
石膏頭は、シリコンの型に石膏を流し込んで作る現代の技術を使用したお顔です。胡粉を塗り重ねる回数も少なく、シリコンの型通りにできあがります。目、鼻、口の彫刻の工程なども桐塑頭より大幅に省略されるため海外でも多くつくられています。
- ・伝統工芸 桐塑頭(とうそがしら)のつくりかた 当工房にて制作
桐の木の粉と糊を混ぜ、生地抜きをし、乾燥をさせたものが土台となります。
胡粉(貝殻の粉)と膠(動物から採れるゼラチン)を混ぜたものを「地塗り」「中塗り」「上塗り」とそれぞれ何度も何度も塗り重ね、あたたかく、きれいなお肌に仕上げていきます。
彫刻する前のお顔
伝統工芸の「桐塑頭」は一つ一つ、目、鼻、口を彫刻し仕上げていきます。
すべての工程を職人が手作業で作っていくために一つ一つのお顔に個性が生まれ、オンリーワンの雛人形ができあがります。
- ・石膏頭の型抜き
シリコンの型に石膏を流し込みます。
石膏頭は、この状態から制作が始まりますので、桐塑頭よりも大幅に工程を省略することができ、安定したお顔をつくることができます。
※こちらのお顔は、サンプルとして制作したものです。当工房では石膏頭の雛人形は制作しておりません。
美人なお顔の雛人形 桐塑頭 味岡映水作
こちらはすべて昔ながらの伝統工芸でつくられた桐塑頭の雛人形です。
すべてが手作業で作られておりますので、一つ一つの表情にも違いがあることがお分かりだと思います。同じ職人が同じ生地を使い仕上げたとしても、それぞれが味わい豊かな表情の雛人形に仕上がるのです。そこが手作りのいいところです。
桐塑頭の雛人形は口が奥まで開いており、歯や舌が表現され、おはぐろにもなっています。それは、細かなところまで職人がこだわり、表現をしているからです。
桐塑頭は、10年、20年と飾り続けることにより、味わいが出てくるのも特徴の一つです。100年以上大切にしていただける作りです。
天然素材を使用した、あたたかく、やさしい、昔ながらのお顔なのです。
- ・まとめ
・桐塑頭の雛人形:桐の木の粉や貝殻の粉などの天然素材を使用して職人が江戸時代からの伝統工芸で一カ月以上掛け制作している。
桐塑頭は、すべてが手作りだが、特に目、鼻、口の彫刻をすることにより、世界に一つのお顔ができあがる。
・石膏頭の雛人形:シリコンの型に石膏を流し込んで型通りに出来上がる。桐塑頭と比べると制作工程、制作時間ともに大幅に短縮できる。安定したお顔をつくることができるため、海外でも多くつくられている。
桐塑頭の雛人形は、彫刻という工程があるために、立体的で奥行き感を感じるお顔ができあがる。桐の木や、貝殻の粉などの天然素材を使用することにより、あたたかく、味わいのあるお顔に仕上がる。
桐塑頭の技術は、習得することも、いいお顔をつくることも非常に困難なため、現在その技術を伝える職人も日本で数人となっている。
桐塑頭の雛人形は一つ一つが特別です。
当工房では、桐塑頭の雛人形を全国一の品揃えで皆様のご来店を心よりお待ちしております。
- 投稿日時:2020.4.27 15.34.02 / カテゴリー:コラム
- https://ajioka.net/blog/colunm/11717