五月人形の飾り方を写真と一緒に解説!最適な場所についても説明
奈良時代頃から由来があるとされる五月人形は、お子様の誕生を祝い、健やかな成長を願って飾られます。
かっこいい鎧兜やかわいい子供大将は、お子様の身に降りかかる災厄を祓うお守りとして端午の節句には欠かせないものとなっています。
五月人形は、毎年飾っていても年に何度も飾ることがないために、どのように飾れば良いのかお困りの方もいらっしゃるかもしれません。
こちらでは、
・五月人形を飾る際に最適な場所
・五月人形はいつからいつまで飾るのか
・鎧飾りの飾り方
・兜飾りの飾り方
・大将飾りの飾り方
について説明をしています。
五月人形を飾る際に最適な場所
五月人形の飾り方の前に、五月人形を飾る際に適している場所をご説明いたします。
- ・直射日光の当たらない場所
五月人形は、直射日光の当たる場所にお飾りいただくと、変色や色あせの原因になり劣化もしてしまいますので、日光が一日中当たらない場所が最適です。
- ・エアコンやヒーターの風が直接当たらない場所
五月人形は、極度の乾燥にもお気を付けください。エアコンやヒーターなどの風が直接当たる場所は、お人形の変色や劣化、台や屏風に反りが生じてしまう原因もなります。
五月人形には、お人形を中心に飾る大将飾りの場合は、伝統の製法で作られた桐塑頭(とうそがしら)の場合は乾燥によりお顔のヒビの原因になる場合もあり、現代の製法で作られた石膏頭(せっこうがしら)の場合は、お顔の塗料の剥がれの原因になる場合もあります。
- ・湿気の少ない風通しの良い場所
五月人形は、湿気の多いところの飾るとお人形、台や屏風、弓太刀などにカビが発生したり、劣化の原因になりますので、結露の発生する場所や水回りの近くなどには気を付け、湿気の少ない場所を選ぶと良いでしょう。
- ・五月人形を飾る方角は決まっているの?
五月人形を飾る際には、どちらの方向を向くように飾らなければいけないということは決められてはいません。五月人形を飾る最適な場所で一番美しくみられる場所に飾ってください。
- ・お手入れのしやすい場所に飾る
五月人形本体や、台、屏風、付属品にホコリが付着する場合もあるかもしれませんので、お手入れのしやすい場所に飾ると便利です。
- ・子供の手の届かない場所に飾る
五月人形の部品の中には、鍬形など鋭利な箇所もありますので、お子様がケガをしないようにご注意ください。
また高い場所に飾る場合には、下に敷く緑色の毛氈(もうせん)をお子様が引っ張ってしまわないようにすることも大切です。五月人形飾りだけでなく、付属のお道具類や毛せんにも目を配ると安心です。
五月人形はいつからいつまで飾るの?
五月人形を飾り始める時期は明確に決められているわけではありません。
一般的には、春分の日を一つの目安として飾られています。
大切な季節を長く楽しむために、4月ごろには飾ると良いでしょう。
五月人形をしまう時期も明確に決められているわけではありませんが、五月五日を過ぎましたら早めに片付けると良いでしょう。
片付ける際は、湿気を含んだ状態で保管することのないように、天気の良い日が最適です。
五月人形の飾り方
五月人形の飾りの種類は、大きく分けて鎧飾り、兜飾り、お人形を飾る大将飾りがあります。
色々なパーツがあり難しそうに感じるかもしれませんが、手順通りに進めていくことで誰にでも簡単に飾り付けることができます。
下に敷く緑色の敷物は?
五月人形を飾る場合は、一般的には下に緑色の毛氈(もうせん)という敷物を敷きます。
端午の節句は、菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)を用いて邪気を払い、豊作を願う行事に由来しているといわれています。
そのため、緑色は「清らかな色」と考えてられています。
五月飾りには、緑の敷物が合いますし、台などを傷めないためにも使用すると良いでしょう。
お子様が毛氈のスミを引っ張らないよう飾る場所には注意してくださいね。
五月人形を飾る際の注意点
五月人形の特徴としましては、豪華にお飾りいただけることが大きな魅力ではありますが、金属などが多く使用されているため重く、飾りつけの際に落下させケガをする場合もありますので、必ず飾りつける場所の近くで組み立てるようにしてください。
金属部分やお人形のお顔に直接触れると指紋が付着し、劣化の原因になる場合もございますので、必ず布手袋を装着するようにしてください。
また、五月人形や台、屏風、付属品がそれぞれどのように収納されているのか写真を撮影をしておくことで片付けの際には非常に役に立ちます。
鎧の飾り方
鎧飾りは、五月人形の中でも豪華な飾り方の一つです。鎧の他にもいくつかのパーツに分かれておりますが、以下の手順に沿って飾り付けをすることで比較的簡単に飾り付けることができます。
台は、置くだけのタイプのものや、組み立て式、収納式などがございます。
屏風は基本的には開いて、置くだけのタイプが多くあります。台の中心を意識して立て回してください。
- 1 佩楯(はいたて)を飾る
鎧が入っている箱、鎧櫃(よろいびつ)の中から、鎧や兜、付属品を取り出します。脛当(すねあて)や毛沓(けぐつ)などは、鎧櫃が入っているダンボール箱の底に付属箱が収納されている場合もありますので、よくお確かめください。
鎧櫃の中心と佩楯の中心を合わせ、佩楯の帯の両端を鎧櫃の蓋(ふた)の間に挟み込みしっかりと蓋をし押さえてください。佩楯は、あとから調整することが難しいため、中心を意識し、左右対称になるようきちんと整えてください。
- 2 胴を飾る
鎧を支える芯木(しんぎ)を通した胴を鎧櫃の上に置きます。
胴は、鎧櫃のやや手前に置き、鎧のバランスや腕の曲がり具合などに注意し、きれいに整えてください。
- 3 面頬(めんぽう)を置く
鎧のお顔の部分である面頬を芯木の上部に掛けます。
兜を置いた際のことを考慮し、眉庇(まびさし)という、帽子でいうと庇(ひさし)の部分と面頬との間に隙間ができないように紐を調節してください。
- 面頬の調節
面頬は、結び目の部分で紐の長さを調節することができます。
兜と面頬の間が空く場合や狭すぎる場合に調節してください。
- 4 兜を飾る
兜の受け口に鍬形(くわがた)を差し込みます。竜頭(りゅうず)がある場合は、鍬形台の間に差し込みます。
鍬形の左右は、よく間違えやすい部分です。
こちらの写真のように左右を間違えないようご注意ください。
鍬形を差し込んだ兜を芯木の上部に乗せ、前後左右の傾きを整えてください。
- 5 脛当(すねあて)と毛沓(けぐつ)を置く
靴にあたる部分の毛沓に脛当を差し込み、鎧櫃の前に並べます。
- 6 弓太刀を飾る
向かって左に弓を、右に太刀を置いてください。太刀は、柄を下向きにし、留める紐がついている場合は結んでください。
少し離れた場所から全体のバランスを確認したら鎧飾りの飾りつけは完了です。
兜の飾り方
兜飾りは、その名の通り兜のみを飾る五月人形です。
シンプルで品の良い兜飾りは、コンパクトにお飾りただけます。
- 1 兜櫃(かぶとびつ)に芯木を置く
兜櫃の中から、兜、鍬形、袱紗(ふくさ)、芯木などを取り出します。
芯木は中心よりやや手前に置いてください。
- 2 袱紗(ふくさ)を掛ける
袱紗は、上の写真のように芯木に掛けてください。
絵柄や家紋がある袱紗は、絵柄が正面になるようにしてください。
- 3 兜に鍬形(くわがた)を差し込む
鍬形を兜の差込口に差します。竜頭がある場合は、鍬形台の間に差し込みます。
鍬形の左右は、間違えやすい部分ですので、こちらの写真のように差し込んでください。
- 4 兜を袱紗の上に飾る
兜を袱紗の上に乗せます。左右の傾きや全体のバランスを整えます。
- 5 弓太刀を飾る
弓太刀を置く場合は、向かって左に弓、右に太刀を置いてください。
刀は柄が下向きになるように飾ってください。
最後に離れたところから全体のバランスを確認して飾りつけは完了です。
大将飾りの飾り方
大将飾りは、かわいい子供大将などのお人形を中心に飾る五月人形です。近年では、お人形やデザインも様々な種類がありますので、人気の五月人形となっております。また、飾り付けも比較的簡単なお人形が多いのも特徴の一つです。
- 1 お人形を飾る
お人形本体を飾ります。
兜の鍬形(くわがた)を受け口に差し込みます。鍬形の左右を間違えないようご注意ください。
大将の手に持たせるお道具がある場合は、適切に持たせてください。
持ち道具は、采配(さいはい)や軍配(ぐんばい)の場合もあります。
- 2 付属品を飾る
台や屏風、弓太刀などがある場合はバランスよく飾ってください。
まとめ
五月人形を飾る際は、直射日光の当たる場所、極度に湿気のある場所、エアコンやヒーターなどの風が直接当たる場所に注意してください。
雛人形と比べて細かなお道具などは少ない代わりに、鍬形や太刀などの扱いに注意しなければいけないものもありますので、お子様がケガをしないよう飾り付ける場所の近くで組み立てをすることも大切です。
素敵な五月人形を飾り、お子様の健やかな成長を願い、端午の節句をお祝いください。
かわいい五月人形の子供大将のお顔は、お子様に似せてつくるオーダーメイドも承っております。
職人が江戸時代から伝わる伝統工芸の桐塑頭(とうそがしら)により一つ一つ丁寧に制作させていただきます。
桐の木の粉や貝殻の粉などの100年以上前から変わらない材料を使用いたしますので、赤ちゃんにもやさしいお人形です。
かわいい手のひらサイズの大きさから大きな馬乗り大将まで色々なデザインの中から素敵なお人形をお選びいただけます。
オーダーメイドの五月人形のことを詳しく知りたい方は「味岡人形 オーダーメイド似顔お子様大将」をご覧ください。
職人が昔ながらの伝統を守る数少ない工房です。
- 投稿日時:2021.3.18 09.40.18 / カテゴリー:コラム
- https://ajioka.net/blog/colunm/24570