映水BLOG

2023.3.6 / コラム

雛人形を処分(供養)する際のポイントを解説!

女の子の健やかな成長を願い飾るひな人形。お役目を終えた雛人形にはたくさんの良い思い出が詰まっていると思います。そんな雛人形をどのように処分(供養)したらいいのか迷われている方もいらっしゃると思います。

こちらでは

役目を終えたひな人形を処分(供養)する際のポイント雛人形を供養すること以外の方法についてまとめています。

人形供養について

雛人形は、平安時代に紙で作られた小さなお人形に息を吹きかけ、身のけがれを移し、身代わりとして川や海に流されたことに由来しています。

雛人形を処分する際には、お寺などで人形供養をするということが最適です。
大切なお子様が、健やかに育ち、成人されるまで身代わりとなって災厄を受けてくれたお人形たちに「ありがとう」という感謝の気持ちを込めてお別れをするという方法です。

雛人形を供養、または処分されることで「不幸が訪れたらどうしよう」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。結論から言うと、そのようなことは全くありません。
雛人形は、お子様に幸せをもたらすものです。負の効果は一切ありませんので、ありがとうの気持ちを込めて供養をし、お別れをしてください。

  • どこまで人形供養をすれば良いのか

先程も述べましたが、雛人形は身のけがれをお人形に移し、お人形が身代わりになってくれることによってお子様が健康に育つという意味があります。雛人形というのは、その子のお守りということになります。

そういう意味でいうと、人形供養で供養するものは、お人形本体のみということとなります。

もちろん、台や、屏風、ぼんぼりやお道具類それぞれに意味があるものですが、一般的にそれらは供養に出す必要はないとされています。ガラスケースも供養する必要はありません。

  • 人形供養をするタイミング

家族の願いが叶い、役目を終えた雛人形は、すぐに人形供養をしなければいけないということはありません。人形供養に出すタイミングには特に決まりはなく、いつまでも大切にしていただいて問題はありません。人形供養をするということは最終手段と考えられています。

  • 人形供養に出す前に注意するポイント

雛人形には、家族の思いが込められています。お子様が誕生し、初節句を迎えた際の思い出の家族写真や絵手紙など、大切な品が一緒になっている場合もあります。うっかり捨ててしまわないよう、一度飾りつけをして確認をした方が良いと思います。

  • 家族で人形供養をする

人形供養をするお寺などが遠方にある場合などで、人形供養ができないという方もいらっしゃるかもしれません。

人形供養の方法に特にこだわっていないという方は、ご家族で雛人形を飾り、お願い事を叶えてくれたお人形に「ありがとう」という気持ちでお別れしましょう。

その後は、各自治体の指示に従って、適切に分別をしてください。

雛人形の供養はどのように行うか

  • 神社やお寺で行う場合

雛人形を神社やお寺にお願いして供養をしてもらうという方法です。

費用の相場は、お人形の大きさや数により異なりますが、一般的には3,000円~10,000円程度となっております。

依頼する場合は、実際にお人形を持ち込む場合と郵送をする場合の2種類があります。
お人形のガラスケースや、スチールの段、付属品などは受け取ってもらえない場合もありますので、事前に確認をしてから依頼をするとスムーズです。

あとは、お坊さんが適切にお焚き上げをしてくれます。

また、すべての神社や寺院が人形供養をしているわけではありませんので、事前にインターネットなどで調べてからお問い合わせをすると良いでしょう。

  • ・一般社団法人日本人形協会に依頼する場合

一般社団法人日本人形協会は、伝統工芸と節句行事の振興と発展に努めている団体です。

雛人形やその他のお人形の供養を「人形感謝(供養)代行サービス」にて行っております。

お申し込みは、一般社団法人日本人形協会へのお電話、またはホームページのお申し込みフォームよりおこなうことができます。

費用は、5,000円+ゆうパック料金となっております。

お申し込み後は、日本人形協会より「お人形差出キット」が送付されますので、手順に従ってお人形を郵送いただくと毎年10月ごろに行われる東京大神宮での「人形感謝祭」で供養され、11月の初旬ごろには、人形供養が済んだ通知がはがきで届きます。

  • ・自宅で供養する場合

自宅で供養をする場合には、これまで見守ってくれたお人形たちに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えてお別れをしましょう。

お人形を供養する際には、可燃ごみまたは、粗大ごみとして処分することになると思いますが、お住まいの地域の各自治体の指示に従って適切に行ってください。

お人形の部品には金属でできたものなどもございますので、可燃ごみで処分をする際には取り外してください。

どうしても気が進まない場合は、神社やお寺で人形供養をするとよいでしょう。

雛人形と一緒に飾る市松人形の供養はどのように行うか

雛人形と一緒に飾ったりもする市松人形も、供養の仕方は基本的に雛人形と一緒で問題ありません。

市松人形には、雛人形と同様に女の子の身に降りかかる災厄を祓い、病気やケガから守ってくれるお守りの意味が込められているので、親戚や知人に譲ったりお店に売却するのはあまり望ましくないとされています。

しかし中には高額で買取される市松人形もありますので、売却したいと考えられる方もいらっしゃるでしょう。

コンディションや保存状態の良し悪しによっては買取してもらえないお人形もあります。

ではどういった市松人形に価値があるのか、その見分け方をいくつかご紹介したいと思います。

  • 高く売れる市松人形の特徴

市松人形は一見して、高く売れそうかわからないと思います。

そこで、高く売れることが多い市松人形の特徴をご紹介します。

有名作家が作った市松人形

有名な人形師・人形作家によって作られた市松人形は、メーカーさんなどで作られている物より製作数が少ないのでこちらも希少価値が高くなり評価も高くなります。

戦前に作られた市松人形である

戦前に作られた市松人形は、焼けてしまっている物がほとんどですので、残っている数が少なく、中古市場では希少価値が評価されることが多いです。

・胴の部分に銘がある

市松人形は人形師、人形作家、工房などを示す銘を胴に記しています。

人間国宝など高く評価されている作家などであれば、高価買取が期待できます。

・ガラス目でてきている

ガラス目とは文字通り、目の素材がガラスで作られていることを指します。

古くからの市松人形はガラスの目に墨で黒目を描いていました。

そのため、目の素材がガラスであると高く評価されます。

・着物に良質な古布が用いられている

古くからの市松人形は、その時代の古布が用いられていることが多いです。

歴史的価値、布の価値が高いものは当然、高額査定につながります。

特に、江戸時代後期から明治期の江戸ちりめん、大正・昭和初期の錦紗・縮緬は着物だけでも売買されることがあります。

・お腹を押すと音がなる

「ふいご」といってお腹を押すと音がなる人形は、高額な市松人形であることが多いです。

・三つ折れである

足首・膝・腰や腿の関節を自由に曲げられる人形を三つ折れと言います。

複雑な作りの人形は高価なものが多いため、査定額に反映されます。

雛人形を供養するにあたって控えたほうがよい行為とは

  • ・親戚や知人に譲る

雛人形の元となったお人形には、平安時代からの歴史があり、当時から自身の身に降りかかる災厄を祓う為のお守りでした。

雛人形が赤ちゃんの身代わりとなることによって、健やかな成長と幸せの願いが叶い、お役目を終えるとされておりますので、親戚や知人に譲ることはあまり望ましくないとされています。

  • リサイクルショップに売却、またはネットオークション等に出品する

雛人形をどうしても売りたいという方はリサイクルショップに売却、またはネットオークション等に出品するという方法もあります。

ただお人形は、我が子の災厄を祓ってくれる大切なお守りですので、できれば長く大切にしていただくことが良いでしょう。

もしお人形を売りたいとお考えでしたら、一般のリサイクルショップよりも古いお人形専門の販売店にご相談をする方が良いでしょう。

ネットオークションに出品する場合は、写真の撮影や梱包などをすることも必要です。

  • ・飾らずに押し入れの中にしまいっぱなし

雛人形は、3月3日のひな祭りに飾ることで子供の成長と幸せを家族で願います。

おいしいお料理を囲み、お子様の成長を願うことにより大切な思い出になりますので、毎年飾ると良いでしょう。

  • ・一般のゴミとして処理する

雛人形は、大切なお守りです。一般のごみで処理することはあまり望ましいこととは言えません。

一般のごみで処分する場合は、お人形にきちんと「見守ってくれてありがとう」という気持ちを伝えましょう。

雛人形を供養することに気が進まない方

雛人形は、お子様が健やかに育った事で、お役目を終えることとなります。思い入れのあるお人形とお別れをすることに抵抗がある方も少なくないと思います。

雛人形はお役目を終えたからと言って飾ってはいけないということはなく、一生飾り続けても問題はありません。大きな7段飾りの15人揃いのお人形すべてを飾るのは大変な場合は、男雛と女雛の二人を飾り、あとは供養に出すという方もいらっしゃいます。

お子様が誕生した際には、お子様の雛人形の隣にお母さんの雛人形を一緒に飾るという方法もあります。

  • 雛人形が汚れていたり修理が必要な場合

雛人形のお顔やお着物が汚れていたり、修理が必要な場合は、きれいに直して飾るということも可能な場合もあります。

雛人形は、伝統工芸のお顔で制作をされている場合、修理や修復が可能な場合も多くあり、髪の毛もきれいに結い直すこともできます。男雛と女雛をきれいし、新しいガラスケースを用意して飾るということも可能です。

  • 両親の家に飾る

わが子の成長を見守ってきた雛人形は、実家の両親の家に飾り大切にするという方法もあります。

良い思い出とともに毎年あたたかな春を感じることができると思います。

  • 雛人形を引き継ぐことが望ましくないとされる理由

立派な七段飾りや高価な雛人形を母親のおさがりで飾られる方もいらっしゃると思います。もちろん気になさらなければ問題はないと思います。

雛人形は平安時代からの長い歴史がある日本の伝統文化です。
きちんとした意味があり飾られています。持ち主の災厄を引き受け、お人形が身代わりとなることによって、お子様が健やかに育つという家族の願いが込められています。

そして、お子様一人一人のお守りと考えられています。お子様が無事に成長され、お願い事が叶ったら雛人形の本来の役目は終わりということとなっているために、一般的に引き継ぐことは望ましくないとされているのです。

二人目のお子様にも雛人形を購入することが望ましいですが、市松人形やもちろんコンパクトな雛人形にもお守りの意味がありますのでお飾りになってはいかがでしょうか。

雛人形のおさがりについての記事は「雛人形は親や姉妹のお下がりで飾ってもいいの?味岡人形 映水ブログ」を参考にしてください。

まとめ

雛人形は、子供が健やかに育ってほしいという願いが込められたとても良いお人形です。

人形供養というものは、お人形とどうしてもお別れをしないといけない場合の最終手段と考えられています。

歴史ある日本の雛人形を適切にいつまでも飾ることでお人形もさらに輝いてくるのではないでしょうか。

雛人形の収納方法を写真と一緒にわかりやすく解説! 味岡人形 映水ブログ

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