桐塑(とうそ)です。伝統工芸のお人形制作の材料です。
「桐塑」とは何かご存知でしょうか?
なかなか聞き覚えのない言葉かと思いますが、雛人形の頭(かしら)にも用いられることのある伝統的な人形制作技術です。
今回は、桐塑人形についてと、制作の過程をお見せいたします。
桐塑人形とは
桐塑人形は、江戸時代の雛人形や衣裳人形等の頭(かしら)や手足の成形技術に源流を有する伝統的な人形制作技術です。
桐塑人形の素材となる桐塑は、桐の木粉を生麩糊(しょうふのり)等で練りあげたものです。
弾性と粘着性があって可塑性に富むうえに、乾燥すると堅固で木材同様に彫刻ができることから、細かい造形表現を特色とする素材となっています。
桐塑人形は、まず木材を彫刻して大方の形状を成形し、桐塑の肉付けによって細かく形状を整え、胡粉塗り・和紙貼り・布貼り等の方法で仕上げていきます。
やわらかいうちは自由自在に形を変えることができるので、いろいろな形を作ることができますが、後で形にくるいが出ないように、よく乾燥させることが大切です。
桐塑の技術は、人形の要所要所に微妙な表情を加えながら作品の完成度を高める技法であり、優れた造形感覚と技量を要します。
桐塑人形の制作過程
伝統工芸の桐塑胡粉仕上げ(とうそごふんしあげ)の人形をつくるために桐塑(とうそ)を練っています。
桐塑は、桐の木の粉としょうふ糊を混ぜて練ります。
しょうふ糊は水と混ぜ、煮て作ります。
桐の木の粉としょうふ糊を混ぜて桐塑を練りました。
この桐塑を型に詰め、生地抜きをして2週間ほど掛けて乾燥させた土台を使用して江戸時代からの伝統のお人形は制作されています。
全国的にもほとんど制作されていないほどに貴重な人形制作です。
- 投稿日時:2023.3.09 17.59.30 / カテゴリー:人形制作
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