映水BLOG

2023.1.15 / コラム

五月人形の意味や由来は?武者人形や飾り道具についても解説!

かわいいお子様の初節句には五月人形を飾ります。
豪華な鎧兜や、かわいい子供大将、武者人形などは、お子様の健やかな成長を願うおまもりとされています。

こちらでは、

・五月人形の意味や由来について
・弓太刀や屏風、三品、三宝の意味
・金太郎、鍾馗、源義経などの武者人形

について解説しています。

端午の節句とは

5月5日のこどもの日を指す端午の節句ですが、そもそもどのような意味なのでしょうか。

端午の節句は、古代中国の「五節句(人日の節句、桃の節句、端午の節句、七夕の節句、重陽の節句)」の一つでした。

季節の変わり目を意味する節句の一つである端午の節句の時期は、病気が流行り、邪気が集まりやすいとされ、厄除けの為に菖蒲や蓬(よもぎ)を飾り、無病息災を願っていました。

端午という言葉は元々月の初めにくる午(うま)の日を指していました。午の日は十二支の午に当たる日のことで、各日に十二支の動物が割り当てられていました。
午の日はその動物が午に当たる日を指しています。

そして端午は、旧暦の5月に訪れる最初の午の日を指すようになり、「午」と「五」が同じ音だったために、やがて5月5日と言われるようになったと言われています。

  • ・そもそも五月人形とは何か?

五月人形は、男の子の誕生を祝い、5月5日の端午の節句に飾るものです。
子どもの健康や成長を願うもので、子どもの代わりに災厄を引き受ける身代わりとしての役割があります。
また、子孫繁栄を願う意味合いもあります。

  • ・いつから五月人形を飾るようになったのか?

日本で五月人形を飾る風習が広まったのは江戸時代からと言われています。
武士の家で災厄から男の子を守る気持ちを込めて飾られるようになりました。

鎧兜を飾る意味

五月人形は、人形本体の他に、鎧兜を飾ります。
これは、日本で武士が台頭してきた鎌倉時代から、武家では旧暦の5月、現在で言うと6月の梅雨の目前に鎧兜を出して、虫干しや手入れをするために飾っており、それが端午の節句に兜や弓を飾る風習として残ったものです。

鎧兜や武具などは、戦いの道具というとらえ方もありますが、身を守る大切な装備品です。
そのため、五月人形は「子どもに降りかかる災厄から守ってほしいという」願いを込めて飾ります。

予算やスペースがあれば、鎧飾りもおすすめ

鎧飾りとは、歴史上の武将が実際に身に付けた鎧をモチーフにして作られた五月人形です。

鎧は時代を経るにつれて、平安時代から鎌倉時代には「大鎧」、室町時代前期からは「腹巻」や「胴丸」と呼ばれる歩兵用の鎧が現れ、戦国時代に入ると「南蛮甲冑」や「当世具足」と呼ばれる鎧が作られるようになりました。

鎧は言うまでもなく身を守るものです。
五月人形は災厄から子どもを守る身代わりの役割があり、鎧があることで更にその効果が上がります。
予算やスペースに余裕があれば検討してみましょう。

弓矢や太刀の意味合い

人形の脇に弓矢や太刀があるものがあります。
これは、魔除けの意味合いがあります。
弓矢は神様が降りて宿るものとして、太刀は人を傷付けない儀式と護身用として飾られています。

人形の後ろに飾る屏風について

五月人形の後ろに飾る屏風にも色々な種類があり、それぞれ意味合いが異なります。

風神雷神:家や子どもを邪気から守る。
:福を招く。
:男の子の健やかな成長を願う。
:威勢よく生きる。
赤富士:縁起が良い。

というように、それぞれ意味が込められています。

三品とは

三品は軍扇(ぐんせん)、陣笠(じんがさ)、陣太鼓(じんだいこ)を指し、どれも合戦には欠かせないものです。

軍扇:軍を指揮するために使う扇。金などで日の丸を書いたりしてある。
陣笠:下級武士が兜の代わりにかぶった笠。
陣太鼓:自軍に合図を送るための太鼓。

鎧や兜の前に3つセットにして置かれます。

三宝(三台とも)

瓶子(へいし)、柏餅、粽(ちまき)を指します。
瓶子は紙ごと酒を入れる器のことで、祭りや祝い事などの行事に使われていました。
柏餅や粽はこどもの日でお馴染みのお菓子ですね。

武者人形


伝統工芸士 味岡映水作 鍾馗 桐塑胡粉仕上げ(とうそごふんしあげ)

五月人形には武者人形のように歴史上の有名な人物や伝説上、有名な英雄をモデルとして製作されているものもあります。

ここで、伝説上の人物がモデルとなった五月人形に込められた意味合いなどをまとめています。

  • ・金太郎

童話でよく知られています。童話の元になっているのは平安時代の坂田金時という人物と言われており、幼名を金太郎と言いました。

金太郎は動物たちと野山を駆け巡り、どの動物たちと相撲を取っても金太郎が勝ちました。

ある日、動物たちと栗拾いに出かけたところ、突如熊が現れます。
動物たちが熊を恐れる中、金太郎は真正面から立ち向かい、とうとう熊を放り投げて降参させます。熊は他の動物たちと仲良くすることを約束しました。

そうしたエピソードから、金太郎を飾ることで、動物と友達になれるような優しい気持ちを持った子に育ってほしい、熊にも恐れずに立ち向かうような強い子に育ってほしい、という願いが込められていると言われています。

また、金太郎こと坂田金時は、武道と学問を究めて、御堂関白と呼ばれた藤原道長にも認められた源頼光という武士に力量を認められてスカウトされ、京に上り、悪事を働く酒呑童子を頼光らと山伏に変装して退治するなど、「頼光四天王」として活躍したことが今昔物語集などに見られます。

そうした活躍振りからも、五月人形のモデルとされたのでしょう。

  • ・鍾馗(しょうき)

鍾馗は、中国で疫病神を追い払う神様とされています。

元々は中国の唐の時代に実在した人物と言われ、頑張って勉強して官士になるための試験を受けたものの、顔が醜いという理由で不合格とされてしまいました。

それに抗議して、自ら命を断ちました。その後、唐の初代皇帝高祖李淵に手厚く葬られます。

その後、六代皇帝である玄宗李隆基が病に罹った際に、夢の中で小鬼を退治する大鬼が現れて、名前を尋ねると鍾馗だと答え、高祖に手厚く葬ってもらった恩返しに来た、と言いました。

次の日に目が覚めた玄宗の病気はすっかり良くなっていました。
そこから、夢で見た鍾馗の姿を絵師に描かせて、「子どもを守る魔除けの守り神」「学業成就の神様」として飾る風習ができたと言われています。

余談となりますが、鎧武者の中でも人気が高い、徳川家康を支えた徳川四天王の一人である本多忠勝は、鍾馗を描いた旗印を用いている姿が、姉川の戦いを描いた合戦図に見られます。

徳川家随一の猛将と名高く、甲斐の虎の異名をもつ武田信玄率いる武田軍との合戦での活躍振りから、交戦相手である武田方の人物が歌に詠むところによると、

「家康に 過ぎたるものは二つあり 唐の頭に 本多平八」

と実際に江戸時代初期に若き日の忠勝のことを歌っていたことが確認されています。

本多平八が平八郎忠勝のことです。

更に、織田信長は忠勝のことを「日本の張飛」「花も実も兼ね備えた勇士」と、豊臣秀吉は
「天下第一古今独歩の勇士」と激賞したと言われています。

ちなみに張飛とは、中国の三国志のうちの一国である、蜀の劉備に仕えた猛将で、信長は忠勝の活躍ぶりを見てそのように称したのでしょう。

実際に信長の研究には欠かすことのできない史料である、『信長公記』にも忠勝の活躍ぶりが書かれています。

合戦で一度も怪我をしなかったという逸話があるほどの忠勝が、邪気を払う意味合いを持つ鍾馗を描かせた旗印を用いていたほどですから、五月人形に起用されるのも頷けますね。


伝統工芸士 味岡映水作 桐塑頭  本多忠勝 馬乗り大将

味岡人形 オーダーメイド五月人形のページ

本多忠勝の馬乗り大将のお顔は、かわいいお子様に似せてつくる「オーダーメイドの五月人形」もご用意しております。

伝統工芸士が江戸時代から変わらない材料と技術で一つ一つ制作させていただきます。

世界に一つの特別な五月人形です。

本多忠勝の馬乗り大将のことを詳しく知りたい方は「お子様が本多忠勝の五月人形に!職人が伝統工芸で作る大将飾り  味岡人形 映水ブログ」をご覧ください。

  • ・源義経

幼名は牛若丸。弁慶との五条大橋の決闘は、現代でも耳にすることが多く、現代でも多くの人々に親しまれています。

源義経は、当時、奥州で繁栄していた藤原氏の保護を受けて育ちました。

兄である頼朝が平家打倒の為挙兵すると、これに参戦して一の谷、壇の浦や屋島での源氏方の勝利に貢献しました。

このほかにも、伝説上の人物をモデルに様々な武者人形が制作されていますが、どの武者人形もお子様の健やかな成長を願う身代わりとしての意味があり飾られます。

まとめ

五月人形の由来や意味、モデルとなった人物やその他の飾り物についてまとめてみました。

鎧兜やお人形、お道具などに共通することは、子どもに元気で健やかに育ってほしいと願う意味合いを持つものが人形やその周りの飾り物には込められています。

人形やその周りの飾り物で、どう揃えたらよいのか分からない場合は、人形店の方に聞いてみましょう。

五月人形を飾る意味を知ることができ、きっと最適なものが見つかるはずです。

人気の五月人形の戦国武将を歴史解説!オーダーメイドの大将飾りも紹介!  味岡映水BLOG

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